台湾における医療機器登録

台湾で医療機器登録を検討すべき理由

台湾は、ICT分野における強みで世界的に高く評価されており、近年ではイノベーション主導型のバイオテクノロジー産業および医療機器産業の拠点として急速に成長しています。2023年12月31日時点において、台湾の医療機器およびデジタルヘルス分野の合計売上高は約67億米ドル(約2,000億台湾ドル)に達しており、その内訳は医療機器産業が49億米ドル、デジタルヘルス分野が18億米ドルとなっています。新たな医療技術の導入を支援するため、台湾政府は医療分野への支出を継続的に拡大しています。

台湾における医療機器規制を所管する規制当局は、Taiwan Food and Drug Administration(TFDA)です。医療機器産業の動的かつ多様な特性を踏まえ、TFDAは国際的な規制基準との整合性を高める目的で、2021年に「医療機器法(Medical Device Act)」を「医薬品法(Pharmaceutical Affairs Act)」とは独立した法律として施行しました。

TFDAは、International Medical Device Regulators Forum(IMDRF)、Global Harmonization Working Party(GHWP)、およびAPEC Regulatory Harmonization Steering Committee(RHSC)などの国際的な規制機関と積極的に連携しています。また、APEC医療機器規制サイエンス・センター・オブ・エクセレンス(CoE)ワークショップを毎年開催しています。さらに、2023年にはTFDAがIMDRFのアフィリエイトメンバーとなり、台湾の国際的な規制エコシステムへの統合は一層強化されました。

Medical Device Registration in Taiwan

All medical devices—whether manufactured locally or imported—must be registered and approved or listed by the TFDA before they can be marketed in Taiwan. The Division of Medical Devices and Cosmetics within the TFDA is responsible for administering medical device regulations.  

Before Medical Device Act implementation, hard-copy dossiers were required to be submitted for most applications.  To streamline the application process, the TFDA is developing e-submission systems for regulatory filings. These systems will be rolled out in phases and will become mandatory in the near future.

台湾での医療機器登録に関する重要ポイント

海外医療機器製造業者の場合

Option 1

台湾に現地法人を設立し、資格を有する医療機器技術者を雇用する。この方法は、規制対応および流通や販売を自社で全面的に管理できる点が最大のメリットです。

Option 2

現地の輸入業者や販売代理店を法定代理人として指名する。現地法人を設立せずに迅速な市場参入を目指す企業に、広く採用されている選択肢です。

Option 3

独立した第三者を任命する。規制対応や流通管理において、柔軟性と中立性が確保できる点が特徴です。

台湾における医療機器の定義

台湾において「医療機器」とは、機器、機械、装置、材料、ソフトウェア、体外診断用試薬、およびこれらに関連する製品であって、薬理学的、免疫学的、代謝的、または化学的手段によらず、ヒトの体内又は体表において、以下のいずれかの主要な使用目的を達成するよう設計・使用されるものを指します。

  1. 人の疾病の診断、治療、軽減、または直接的な予防
  2. 人体の構造または機能の修復または改善
  3. 受胎の調節

 

また、「体外診断用医療機器(In Vitro Diagnostic Device:IVD)」とは、人体から採取された検体を収集、前処理、または検査するために使用され、疾病の診断、健康状態またはその他の状態を判定することを目的とした試薬、機器、ソフトウェア、またはシステムを指します。

台湾の医療機器クラス分類

台湾では、医療機器は以下のリスクレベルに基づいて分類されます。

クラス I

低リスク

クラス II

中リスク

クラス III

高リスク

また、医療機器は使用目的や動作原理等を基準として、16カテゴリー・1,866品目(現時点)に細分化されています。

品質マネジメントシステムの要件

外国医療機器製造業者向け

すべての医療機器製造業者は、「医療機器品質マネジメントシステム規則(Medical Device Quality Management System Regulations)」に適合した品質マネジメントシステム(QMS)を構築する必要があります。輸入医療機器の場合、製造は以下の要件を満たした後にのみ開始できます。

  • QSD(Quality System Documentation)の適合性評価に合格すること
  • TFDA(Taiwan Food and Drug Administration)から製造許可を取得すること

なお、TFDAが公表した対象品目に限り、製造許可が免除される場合があります。

また、「医療機器品質マネジメントシステム規則」の別紙(Annex)に記載された品目に該当する低リスクかつ非滅菌の医療機器については、Essential Application Modeによる申請が可能となります。

さらに、国際協力プログラムに基づき、以下の製造業者を対象とした簡略化審査(Abbreviated Application Mode)が用意されています。

  • EU技術協力プログラム(EU Technical Cooperation Programme:TCP)
  • 米国の製造業者
  • 日本の製造業者

QSD製造許可の有効期間は3年間であり、有効期限の6か月前から1年前までの間に更新手続きを行う必要があります。

TFDAが指定した特定医療機器を取り扱う販売店は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 医療機器の適正流通規範(GDP:Good Distribution Practice)に基づく流通管理体制を確立
  • 医療機器適正流通規範(Regulations for Good Distribution Practice of Medical Devices)への適合
  • さらに、適合性検査に合格した後、TFDAより流通許可を取得する必要があります。


TFDAが指定する特定の医療機器については、適合性検査および流通許可を取得するまでは輸入を開始することができません。

なお、GDP流通許可の有効期間は3年間で、有効期限の1年前から6か月前までの間に更新申請を行う必要があります。

医療機器の製品登録およびリスティングに必要な提出書類

クラス1リスティング クラス1登録
申請書
1
取扱説明書
3
医療機器営業許可証の写し
QSDライセンス
Δ4
前臨床試験に係る試験規格、試験方法および試験報告書
Δ5
TFDAが指定するその他の文書および情報
Δ6

注記:

  1. オンラインプラットフォーム上で入力が必要なのは、行政情報のみです。
  2. 製品分類を裏付けるため、使用方法、機能、動作原理、医療機器の構成(または成分)を含める必要があります。
  3. 必須ではありませんが、多くの場合提出されています。特定の製品については、宣誓書を代替として提出することも可能です。
  4. TFDA が公告した特定品目については、免除される場合があります。
  5. TFDAが性能要件を定めている製品に対して適用される要件です。
  6. また、(1)商標または第三者名を含む製品、(2)中国からの輸入製品、あるいは(3)国際規格を引用している製品も対象となります。
クラス2 クラス3
TFDAが承認したSE機器
はい
いいえ6
はい
いいえ6
行政文書およびラベリング1
技術文書(機器の説明)
前臨床試験の検証・妥当性確認文書および品質管理データ
3
臨床
評価
学術的・理論的根拠、関連研究報告、
データ、臨床評価報告書など
SE比較表
SE比較表
台湾国内の臨床試験報告書
X4
5
X4

責任
(Responsibility)

注記:

  1. 以下を含みます。
    (a) 申請書
    (b) 原産国が発行する「製造および自由販売証明書」(公的に認証されたもの)
    (c) 繁体字中国語によるラベル、取扱説明書、または包装のドラフト
    (d) 原本の取扱説明書/マニュアル/カタログ(翻訳のベースとなる文書)
    (e) 委任状
    (f) QSD製造許可の写し
    (g) 医療機器営業許可証の写し
  2. 機器の構造、材料、仕様、機能、使用目的、図面に関する文書も必要となります。
  3. TFDAが公告する特定品目については、前臨床の検証・妥当性要件が免除される場合があります。ただし、品質管理データはすべての製品に適用されます。
  4. 一部のTFDA告示品目については、免除対象外となるものもあります。
  5. 機器および関連資料がTFDAが告示するすべての基準を満たしている場合には、免除が認められる場合があります。
  6. 高リスク機器、新規技術を用いる機器、TFDA承認のSE機器が存在せず、臨床上の安全性や有効性に懸念がある機器については、追加で専門家委員会による審査が求められる場合があります。

SE機器 (実質的同等医療機器)の特定の重要性

TFDAにより承認されたSE機器を特定することは、適切な登録ルートを判断するうえで極めて重要なステップです。これは、以下に影響します。

  • 申請ルート
  • 申請手数料
  • TFDAの審査期間

TFDAは、以下に関するガイダンスを提供しています。

  • SE機器に必要な提出文書
  • SE機器の実質的同等性の判定プロセス
  • SE機器の実質的同等性の判定申請方法

海外医療機器製造業者は、TFDAのライセンスデータベースを利用して、類似の承認済み製品を検索できます。別の方法として、弊社のような現地パートナーと連携することで、適切なSE機器の特定や、規制要件への対応をより円滑に進めることができます。

製品ライセンスの有効期間およびリスティング要件

  • 製品ライセンスの有効期間は5年間です。
  • ライセンス更新の申請は、有効期限の6か月前までの期間内に提出する必要があります。
  • リスティングの対象となる製品については、毎年10月に年次申告/年次報告を提出する必要があります。

ラベリング要件

台湾で販売されるすべての医療機器には、販売用の最小包装単位に繁体字中国語のラベルを貼付し、繁体字中国語の取扱説明書を提供する必要があります。これらの要件は、販売、卸売、または小売の前に満たされなければなりません。例外は、TFDAの承認を得た場合に適用される可能性があります。

海外医療機器製造業者の場合、繁体字中国語のラベルおよび取扱説明書が当初の提出資料に含まれていない場合には、製造業者が発行した取扱説明書、ユーザーマニュアル、添付資料等のラベリング原本に基づき、ドラフト作成または翻訳を行う必要があります。翻訳内容の確認のため、翻訳の根拠(すなわちラベリング原本)を提出することが求められます。

TFDAは、輸入医療機器ライセンスに関連する繁体字中国語の取扱説明書について、承認の原則、承認範囲、および承認後の変更管理に関するガイドラインを示した公告を発出しています。

必須の中国語ラベル内容

ラベル、使用説明書または包装には、以下の内容を含める必要があります。

  • 繁体字中国語ラベルにおける必須記載事項
  • 製品名
  • ライセンス番号またはリスティング番号
  • 使用目的または適応症
  • 製造日および使用期限/保存期間
  • 型式(モデル名)、仕様、または主要構成部品
  • 警告、注意事項、制限、または既知の副作用
  • ライセンス保有者および製造業者の名称および所在地
  • ロット番号またはシリアル番号
  • 所管当局が求めるその他の情報

UDIと追跡管理

台湾の医療機器クラス分類

クラスIIおよびクラスIII医療機器は、包装または機器本体にUDIを表示する必要があります。台湾市場での販売を開始する前に、ライセンス保有者またはリスティング申請者は、TFDAが定めるUDIデータベースに、必要なUDI関連情報を登録・アップロードすることが義務付けられています。

追跡管理制度

TFDAが指定する特定の医療機器については、医療機器ディーラーが供給および流通記録を整備・維持することが求められます。さらに、TFDAが指定する一部のデバイスでは、トレーサビリティおよび法令遵守を確保するため、記録を四半期ごとにTFDAへ報告する義務があります。

申請区分別の手数料およびTFDA公表の審査期間

申請区分 TFDA*手数料 TFDAが公表している審査期間**
QSD Essential
NT$60,000 (US$2,000)
120日
簡略化されたQSD審査
NT$30,000 (US$1,000)
クラスIのリスティング
NT$10,000 (US$333)
未公表***
クラスIの登録
NT$15,000 (US$500)
80日
TFDA 承認済みのSEあり
クラスIIの登録
NT$58,000 (US$1,933)
140日
クラスIIIの登録
NT$100,000 (US$3,333)
200日
クラスII/IIIの登録(TFDA 承認済みのSEなし)
NT$130,000 (US$4,333)
220日

* TFDA:台湾衛生福利部食品薬物管理署
** 申請者および海外製造業者による資料準備・照会回答に要する期間は含まれていません。
***TFDAから公式な審査期間は発表されていませんが、関係政府機関との内部協議に基づくと、想定される期間は60~80暦日程度となる可能性があります。