香港は国際的な貿易・イノベーションの拠点として発展しており、中国本土や大湾区へつながる重要な
玄関口としての役割を果たしています。自由市場経済の下、整備された法制度・知的財産制度、そし
て世界水準の医療インフラを備える香港は、医療機器企業にとって魅力的な事業展開の場となってい
ます。香港の人口は約800万人です。
HKTDC(香港貿易発展局)の最新調査によると、香港は医療へのアクセスの良さと医療インフラの
充実により、世界的にも平均寿命が非常に高い地域として知られています。また、65歳以上の人口割
合は2021年の20%から、2041年には32%へ大幅に増加すると予測されています。こうした急速な高齢
化と健康意識の高まりを背景に、医療サービスや医療製品に対する需要は一層拡大しています。
さらに、香港食品・衛生署(Food and Health Bureau)が公表したデータによれば、2022〜23年度
における医療関連(公的・民間を含む)支出総額は約2,841億香港ドル(364億米ドル)で、香港
のGDPの10%を占めています。
香港政府の衛生署は、CMPR (Center for Medical Products Regulation)を
2026年末までに設立する方針を正式に発表しました。さらに香港政府は、
医療機器規制の法制化に関する法案を2026年に立法会(LegCo)へ提出することも目標としています。
香港では、医療機器の製造、輸入、流通、供給、使用を直接規制する法制度は、現在も制定(施行)に至っていない状況です。
こうした状況を踏まえ、将来的に医療機器規制を法令に基づく枠組みへ移行していくための移行措置として、MDACS(Medical Device Administrative Control System)が導入されています。
MDACSは、衛生署(Department of Health)傘下の医療機器部(MDD:Medical Device Division)が運営しています。
MDACSでは、医療機器に関連して発生する有害事象や、安全性に関する警報・通知、さらに製品回収について、監視および管理を実施しています。
香港で医療機器を登録する方法として、海外の医療機器製造業者には以下の3つの選択肢があります。
香港に現地法人を設立し、その法人を現地責任者(LRP)として指定する。
現地の輸入業者または販売代理店を、現地責任者(LRP)として指定する。
香港の第三者を現地責任者(LRP)として指定する。
香港のMDACSにおいて、医療機器とは、関連する付属品を含む、、ヒトの体内又は体表において使用することを意図したあらゆる器具、装置
機械、材料、ソフトウェア、または体外診断(in vitro)用試薬を指す。医療機器は、薬理学的、免疫学的、代謝的、
または化学的作用以外の手段によって、以下の目的の1つ以上に用いられることを意図したものと定義される。
体外診断用医療機器(IVD)とは、人体から採取された検体を収集、前処理、または試験するために使用され、疾病の
診断、健康状態の評価、またはその他の状態の検出を目的とする、あらゆる試薬、器具、ソフトウェア、またはシステムを指す。
香港では、一般医療機器(GMD:General Medical Devices)および体外診断用医療機器(IVDMD:In Vitro Diagnostic Medical Devices)は、リスクに基づき4つのクラスに分類されています。規制は、リスクの高さに比例しています。
一般医療機器:クラス I
体外診断用医療機器:クラス A
一般医療機器:クラス II
体外診断用医療機器:クラス B
一般医療機器:クラス III
体外診断用医療機器:クラス C
一般医療機器:クラス IV
体外診断用医療機器:クラス D
医療機器のクラス分類に関する規則
複数の分類規則が該当する場合は、より高いクラスに分類される規則が優先されます。衛生署医療機器部(MDD:Medical Device Division)は、製品が医療機器に該当するかどうか、また適切なクラス分類を判断するためのツールを提供しています。(リンク)
医療機器の法定製造業者と実際の製造を行う製造業者の双方は、ISO 13485認証を取得している必要があります。MDACSに基づく医療機器届出申請の一環として、ISO 13485認証書をMDDに提出することが求められます。
LRP(Local Responsible Person)は、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
LRPは、MDDに対して機器リスティング申請を提出する責任を負い、以下の規制上の義務を履行するための文書化された
手順を確立する必要があります。
LRPの詳細な責任は、MDDが発行する「COP-01 Code of Practice for Local Responsible Persons(現地責任者に
関する実務規範)」に記載されています。
A~Dまでの4つの要素で構成されております。
MDIS (Medical Device Information System) で申請する際は、以下のガイダンスを参照してください。
GN-01「Medical Device Administrative Control Systemの概要に関するガイダンス」によると、リスティングは、
必要書類一式の提出後、通常、最大12週間を要します。リスティングの有効期間は5年間であり、更新申請は、有効
期限の少なくとも12週間前から1年前までの間にご提出いただく必要があります。
ラベリングは、[TR-005] Additional Medical Device Labelling Requirementsを満たす必要があります。
特別なリスティング情報は、以下で構成されています。
1. 当該機器のリスティング番号
2. 該当する場合、当該LRPの名称、所在地、および連絡先電話番号/FAX番号(英語および中国語の両方)
LRPは、当該機器のリスティング後、本「特別リスティング情報」の要求事項に適合するため、6カ月の猶予期間が設けられています。
医療機器の種類、特性、表示する効能・用途によっては、MDACS以外の規制制度の対象となる場合があります。主な関連制度には次のものが含まれます。
現在、医薬品成分を含む医療機器、または電離放射線を放出する医療機器の輸入・販売には、正式な登録が必要とされています。